競争の激化


中国の百貨店業界が苦境に立たされている。経済の停滞による需要縮小、ネット通販との競争激化などの圧力に晒されているため。今年に入って店舗の閉鎖が目立つ状況だ。各百貨店はいま、事業モデルの転身を迫られている。中国経済網が17日付で伝えた。

小売企業の統計によると、今年上半期に閉鎖を発表した百貨店企業は25社を数える。中でも商業不動産デベロッパー最大手、大連万達集団のグループ企業である万達百貨は、10店を相次ぎ閉鎖。百貨店業界で最多となった。万達百貨の傘下デパート全体の10%を閉めている。さらに不採算の25店についても、売り場面積の縮小などの調整を加えると予告した。閉鎖店舗がさらに拡大する可能性もある。複数メディアの報道によると、この閉店発表とは別に、万達百貨は赤字幅が大きい45店舗の閉鎖を計画中とされる。

同社だけでなく、馬莎百貨(マークス・アンド・スペンサー)、天虹商場、陽光百貨、百盛百貨(マレーシア系のパークソン)などが店舗を相次ぎ閉鎖。業界全体が“閉店ラッシュ”の様相を呈している。

振り返れば2014年に、中国百貨店業界は転換点を迎えた。このほど発表された「中国百貨店業界会員企業経営状況統計報告」によると、主要百貨店企業207社の商品小売売上高は、14年に前年比6.45%増と伸び悩み。直近5年間で初の1ケタ台に成長が鈍化した。同年の中国GDP成長率(7.4%)を約1ポイント下回る水準。同年の中国社会消費品小売総額(小売売上高)の伸び(11.5%)と比べると、5ポイント超も低い。「14年は中国百貨店業が“成長ポスト時代”に入ったことを示す象徴的な年だった」と総括されている。

競争の激化、消費習慣の変化といったさまざまな逆風が従来百貨店業界を取り巻く環境を悪化させた。中国百貨商業協会の範君・秘書長(事務局長)によれば、商業不動産の供給過剰が足元で続くとともに、商業施設の同質化が進んだ。これは1~2線都市に限らず、地方の3~4都市へと蔓延してきたという。

こうしたなか、各百貨店は経営改革の道を模索中。電子商取引(EC)業者との提携を通じ、ネット通販市場へ進出する動きが加速している。しかし、「EC業者に完全に食われる」という懸念も拭えないのが現状。そこで、EC業者との提携に並ぶ事業転身方法として、各ブランド商品を自社で買い上げる方式を検討する企業も出てきた。各ブランドに店舗スペースを賃貸する従来方式との併用を考慮。消費者に好まれる商品を選択するマーケティング手法によって、経営リスクの軽減を図りたい考えだ。






2015年09月18日 Posted byrxz35366 at 11:58 │Comments(0)

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